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【2児のママ蛯原英里さん・前編】頑張りすぎないゆる食育「育児は“てげてげ”でいいがぁ」

子どもの身体をマッサージすることで親子のふれあいをはかる「ベビーマッサージ」。子どもの身体や心の発達に対する豊富な知識をもとに「ベビーマッサージ」資格を持ち、日本チャイルドボディケア協会代表として活躍中の蛯原英里さん。講演会やイベントで各地を飛び回りながら、現在4歳の女の子と生後10ヵ月の男の子の育児に奮闘中です。

そんな子育て真っ最中の蛯原さんが心がけているのが「てげてげでいいがぁ」という育児。これは蛯原さんの故郷・宮崎県のことばで、「ほどほどでいいか」「頑張りすぎずに肩の力を抜いていこう」という意味で使われるのだそう。

忙しい毎日の中でも笑顔を絶やさないという蛯原家の食卓。普段から実践している食育や子育ての考え方についてお話を伺いました。

前編では、子どもの食事への興味の持たせ方、好き嫌いゼロを実現した食事の様子など、パパ・ママ必見の内容をお届けします。

子どもと一緒に栄養バランスを考えることで、食事への興味をアップ!

蛯原英里さん食育インタビューの様子

――普段の食卓の様子を教えてください。

いつも同じ時間に、家族全員で食卓を囲むように心がけています。食事中はテレビを消し、「幼稚園どうだった?」など、その日にあった出来事を聞くなど会話を楽しんでいます。

――お忙しい中で家族が揃って食事するのは簡単ではないですよね。

子どもが生まれる前は仕事がハードだったので、いつも夫婦で揃って食事というのは難しかったです。お腹が満たされればいいという感覚で、それぞれコンビニ食で済ませてしまうこともありましたし。でも、子どもが生まれてからは、栄養バランスを考えたごはんを手作りしたいと思い、できるだけ早く帰るようになりました。子どものおかげで、私たち夫婦も健康的な食生活になったなと感じています(笑)。

――毎日の食事で苦労していることはありますか?

野菜をたくさん摂れるようなメニューにしたいのですが、献立がマンネリ化しがちなのが課題ですね。子どもにはいろいろな料理を食べてもらいたいので、レシピ本を参考にしたり、料理上手な友人からおすすめの料理を教えてもらったりして、なんとか頑張っています。時間ができたら料理教室に通って、レパートリーを増やしたいです。

――味付けも気を遣いますよね。何か工夫されている点はありますか?

子どものごはんは薄味にするように意識していますが、それに合わせると大人にとっては物足りない味付けになってしまいますよね。子どもも大人もできるだけ同じものを食べて食事を楽しみたいので、わが家では調理の途中で取り分けて、味付けだけ別々にするようにしています。

例えば、タイ料理のガパオを作るなら、ひき肉、パプリカ、ズッキーニなどの具材を炒めたら、味付けする前に取り分けて、子ども用にしょうゆと砂糖で甘辛に味付け。その後、大人用として唐辛子などを加えてスパイシーな味付けにしています。まったく別のものを作るよりも手間が少なくなりますし、子どもも大人も食べたいものを我慢しなくてよいので好評でした。

――献立で工夫されていることはありますか?

子どもに、食事や栄養について関心を持ってもらうことも重要だと考えているので、彩りがきれいになるように気をつけて、タンパク質、炭水化物、ビタミン・ミネラルなどの栄養素の3グループを盛り込むように意識しています。娘が、幼稚園でもらってきた栄養素の絵本のイラストを真剣に見ていたので、朝食のときには、「パンは炭水化物のグループだね、卵焼きはタンパク質だね」とか、「今日の朝はビタミンがないから、トマト食べよっか?」という感じで娘が自然と栄養を意識できるような会話を楽しんでいます。



作って出したものだけが食事じゃない。食事は家族を巻き込んだエンターテイメント

蛯原英里さんお子さんの食育について話す様子

――生活の中に自然と食育をとり入れているんですね。ほかに何か実践されている食育はありますか?

食材を知ることも食育につながると思うので、スーパーでは「今日のメニューはこれなのでこれを探そう!」とゲーム感覚で一緒に買物しています。食材を見ながら「この野菜はいつもないけど今日は置いてあるね」と食材の旬を教えてあげたり、ごはんの準備のときには旬の大きなそら豆の皮を一緒に剥いたりしています。

――お子さんの食に対する興味はどう感じていますか?

週に1度くらいですが、娘がお友達と遊ばない日は一緒に夜ごはんを作るんです。そのときは簡単なメニューにしますが、刃先が安全なマイ包丁で娘でも扱えるものを切ってもらったり、野菜の塩もみや肉巻きをくるくるしたりといった、簡単な作業を手伝ってもらっています。ノリノリでやってくれるし、自分で作るからよく食べますね。2歳ぐらいからお手伝いしてくれていたので、今では卵焼きが得意料理のようで、卵を割って味付けして巻くところまで全部やってくれるようになりました。

――食べ残しはありませんか?

食べ残しはその時の気分や個人差にもよるので難しいですよね。以前、娘が晩ごはんを食べてくれない時期があって、少しイライラした時期がありました。「ほら食べてよ〜!」とか「残したらもうママ作らないからね!」とか強めに言ってしまったこともあって…。

でも思い返してみると、あの時の娘は食欲よりも眠気のほうが勝っていたんですよね。日中に身体をいっぱい動かしているから眠たくなっちゃう。なので、食事の時間を早めたらよく食べてくれるようになりました。たまに食べながら居眠りしているときもありますけど(笑)。

――食事と睡眠は、どちらも子どもにとって欠かせない要素ですから、バランスを取るのが難しいような気もします。

食事は、一日のトータルで考えるようにしています。家に帰ってきたらまずお風呂に入って、眠そうだったら早めに「どうする? 食べる? それとも寝る?」と聞いて、「眠い」と言ったら歯磨きをしてすぐ寝てもらっています。

一日をトータルで見てみると、朝もお昼もしっかり食べてくれるから夜はそんなに食べられなくても大丈夫だろうと、夫婦で話し合って納得してからは、気が楽になりました。子どもたちは、ちゃんと元気に育って身体も大きくなっているし好き嫌いもない。少しくらい自分の思う通りにならなくても、「まあいっか、そんなときもある!」とポジティブに捉えるのが大切なのかもしれませんね。



耳元で咀嚼音を聴かせるゲームを実践して生野菜嫌いを克服

蛯原英里さん普段の食育について話す様子

――好き嫌いがないのは素晴らしいですね。

小さいうちから、一緒に料理をしたり、なんでも食べさせるようにしていたからかもしれません。例えば一般的に苦手な子どもが多いピーマンも、一緒に肉詰めを作っているので、温めたり焼いたりするとピーマンは甘くなるということを理解しているので、食べてくれるんです。薄味の味付けが多いからか、娘は素材の味が好きみたいで、ケチャップやマヨネーズを嫌がって「何もつけてないやつがいい」って言うこともあるんです(笑)。でも生野菜をはじめて食べさせる時は、やっぱり難しかったですね。

――その時に、どんな実践をしたのですか?

娘の耳元で野菜の咀嚼音を聞かせて「どんな音がする?」っていうゲームをしたんです。

まずはママとパパで「この野菜は噛むと、シャリシャリって言うよ」と伝えて、次は、娘が「音、聞こえる?」と言いながら私の耳元で食べる。それに対して「あー! すごいね、シャリシャリ言っている!」「いい音がしているね! 野菜も喜んでいるよ!」とちょっと大げさに褒めてあげるとものすごくニコニコしてくれました。そんなゲームを繰り返しているうちに生野菜も食べてくれるようになっていたんです。一対一じゃなくて、家族を巻き込んでやったのも良かったのかもしれないですね。

 

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蛯原 英里(えびはら・えり)
1979年生まれ、宮崎県出身。看護師として約6年間NICUに勤務後、アパレル会社の広報を経て、チャイルド・ボディ・セラピストに転身し日本チャイルドボディケア協会を設立。2014年に第一子となる長女を、2018年9月に第二子となる長男を出産。現在はベビーマッサージの講義や情報発信のほか、子供服のプロデュースなども手がけ、多方面で活躍中。

取材・文:齋藤 倫子
撮影:宮城 夏子
ヘアメイク:佐々木 育美

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