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睡眠時間で成績が変わる!?子どもの学力と睡眠の関係

「うちの子、集中力が続かなくて、すぐに投げ出してしまう」「勉強はしているけれど、成績が伸びない……」。もしそんな悩みがあれば、子どもの睡眠を見直してみるとよいかもしれません。

睡眠にまつわる多くの著書を発表している、雨晴クリニック副院長の坪田聡先生によると、「勉強の効率や集中力の向上には“よい睡眠”が大きく関係している」とのこと。学習効率が上がる子どもの睡眠とはどのようなものなのか、お話を伺いました。

睡眠不足では脳の機能が低下する

睡眠時間を削って勉強をしたのに、思ったほどの成果が出なかった経験がある方も多いのではないでしょうか。それは睡眠不足によって脳の機能が低下していることが原因で、長時間脳を使い続けていることで、脳に疲労が蓄積して活動パフォーマンスが下がってしまっているために起こる現象です。

つまり、効率的に学習を進めるためには、脳の疲労蓄積が少ない状態(疲労が回復した状態)で勉強をする必要があり、その脳の疲労を回復してくれるものが睡眠なのです。

睡眠不足は学力低下の元凶に

睡眠は記憶の整理もしてくれる

睡眠には、疲労した脳をクールダウンしてパフォーマンスを回復する効果だけではなく、「日中にインプットした記憶を整理する」効果もあります。

勉強で学んだ情報が記憶として整理されるのは、身体が休んでいて脳が目覚めている状態である『レム睡眠』のときとされています。つまり、しっかりと睡眠を取らなければ、いくら情報を詰め込んだとしても知識としてストックされないのです。睡眠不足は、学習する意欲や思考力をはじめ、記憶力、集中力、持続力などの低下を招く恐れがあるので注意しましょう」(坪田先生)



子どもの睡眠に関するNG行動

小学生の最適な睡眠時間は8〜10時間とされています。脳のパフォーマンスを高めるため、しっかりとした睡眠を取るためには、就寝前に寝つきを悪くさせる行動を取らないように注意することも重要です。

以下の行動を取ると、身体が睡眠モードに切り替わらず、入眠が遅くなり、脳の疲労を十分に取ることができなくなってしまいます。できるだけ避けるようにしましょう。

就寝前のNG行動

【NG行動1】就寝直前の飲食

小腹がすいたとしても、寝る直前の「飲食」はできるだけ避けましょう。胃に食物が入ると消化吸収が始まり、身体が活性化するため、睡眠で身体を休めることができなくなり、睡眠の質が下がってしまいます。あまりにもお腹がすいて眠れないときは、消化が良いおかゆやヨーグルトなどを少量食べることをおすすめします。

【NG行動2】スマホやゲーム機などのデジタル機器の使用

デジタル機器の液晶画面の光は「ブルーライト」と呼ばれる、青く強いエネルギーを持つ刺激の強い光です。就寝直前にブルーライトを浴びると、その刺激で眠気を誘うメラトニンの分泌が抑制されてしまい、入眠状態に入っていても目が覚めてしまうことがあります。

【NG行動3】興奮状態をつくる

夜寝る前はリラックスすることが重要です。心身が興奮状態になるような映画やテレビ番組の視聴や、激しい運動は避けましょう。興奮によって体温、血圧、心拍数などが上がると、目が冴えて寝つきにくくなったり、いったん寝ても夜中に起きてしまったりと、睡眠の質が低下する原因になります。




子どもを快眠へ導く簡単テクニック

快眠のためには、眠る1時間前にどれだけ身体と脳をリラックスさせられるかもポイントになります。次のような入眠効果が高まる行動を、就寝前のルーティンにしてしまうのもおすすめです。

快眠へのヒント

入浴

入浴によって体温が上がると、その後は自然と体温が下がっていく状態になります。実は、この状態が身体と脳がリラックスに向かっている状態。体温が下がるタイミングで布団に入れば、スムーズに眠りにつくことができます。坪田先生曰く、「38〜40度のお湯に20〜30分くらい浸かる」のが理想的なのだそう。

入眠儀式を取り入れる

寝る前の一連の流れを子どもと決めて、毎晩決まったことをすることで心の準備ができたり、眠りのスイッチが入ったりすることがあります。歯みがき、パジャマに着替える、家族に「おやすみ」を言う、トイレへ行く、本を読み聞かせる、明かりを消して眠るなどといった「おやすみツアー」を試してみてもよいかもしれませんね。

ぐっすり快眠に導くおすすめ食材

食事によって、眠りのスイッチを入れることも可能です。入眠効果を高める栄養素には次のようなものがあるので、夕食のメニューに取り入れてみましょう。

睡眠のリズムを整える「グリシン」

睡眠の質と関わりをもつアミノ酸の一種に「グリシン」があります。グリシンとは、体温を下げる働きを持ち、寝つきをよくする効果が期待できる栄養素。睡眠に問題のある被験者が就寝する30分前に3gのグリシンを摂取し、翌朝・日中の状況を調査したところ、朝にはスッキリと起床でき、日中の作業も効率よく行うことができるようになったという結果が出たほど、入眠効果が期待できる栄養素です。

グリシンは、エビ、カニ、イカ、ホタテなどの魚介類に多く含まれ、体内ではクレアチン、ポルフィリンなどの原料となります。

リラックス効果が強い「ギャバ」

神経伝達物質の「ギャバ(ガンマ−アミノ酪酸)」は、興奮を抑えてリラックスさせる作用をもつ栄養素です。また、医師が処方する睡眠薬には、脳内でギャバの働きを強化して眠らせる作用のあるものが多く、寝る30分前に摂取することで寝つきがよくなるという効果もあるほど。

ギャバを含む食材には、玄米、発芽米、雑穀、漬物、小魚、チョコレートなどがあります。最近では、ギャバを含有した特定保健用食品も発売されており、子ども用の商品などを試してみるのもひとつの手です。

 

子どもの学力や集中力に大きく影響してくる睡眠。まずは、睡眠時間を確保することを意識して、快眠に導く食材を食事に取り入れることなど、できることからはじめてみましょう。

 

坪田 聡(つぼた・さとる)
雨晴クリニック副院長。日本睡眠学会、スポーツ精神医学会、日本医師会所属。睡眠障害がほかの病気の発症や経過に深く関係していることから、睡眠障害の治療・予防をスタートし、「快眠で健康な生活を送ろう」をコンセプトに睡眠の質を向上するための指導や普及を行っている。
http://proidea.pro/expert/132
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