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小学生のおねしょ予防のポイントは食生活の改善

小学生になってもおねしょが治らない……。そんな心配を抱えていませんか?

でも、ご安心を。昭和大学藤が丘病院の夜尿症専門医・池田裕一先生によると、「小学校低学年になってもおねしょをしてしまう子どもは意外と多く、食事や生活のリズムを整えるだけで、自然と治るケースも多い」のだそう。そこで今回は、池田先生に子どもがおねしょをしてしまう原因とその対処法、食生活の改善によるおねしょ対策について伺いました。

子どもがおねしょをしてしまうのはなぜ?

「おねしょとは、夜寝ている間に無意識に排尿してしまう状態のことを指し、5歳を過ぎてもおねしょが継続するような場合は『夜尿症』と診断されます」と池田先生。おねしょの主な原因は、以下の3つと考えられているのだそう。

【原因1】夜間の尿量が多い

腎臓の尿細管に作用して水分の再吸収を促進する(尿量を抑える)ホルモンである「抗利尿ホルモン」の分泌量が夜間に増えないため、膀胱の容量以上のおしっこがつくられ、漏らしてしまう。

【原因2】膀胱の容量不足

膀胱自体が小さかったり、自律神経の働きが弱かったりすると、睡眠中に膀胱が十分に大きくならず、尿が膀胱からあふれてしまう。

【原因3】生活習慣の乱れ

睡眠のリズムや寝付きがよくない、心理的ストレスの蓄積などによって生活リズムが崩れるなどの原因によって、本来眠りが浅くなる明け方に、眠りが深くなってしまい、明け方に尿意を感じることができず、漏らしてしまう。

おねしょをする子どもは、これらのいずれか1つ、もしくはいくつかの原因をあわせもっていると考えられます。



おねしょが治らないなら病院へ行くべき?

子どもおねしょ

なかなかおねしょが治らない場合や、5歳を過ぎてもおねしょが継続的に起こる場合は、一度、専門医に相談してみるのがベターです。

「小学校低学年でおねしょの頻度が低い(月1回ほど)場合は、さほど心配はいりませんが、週1〜2回のおねしょが一定期間続くようなら、食事や生活リズムの見直しが必要になります。8歳を過ぎても治らない場合は、子どもの自尊心の発達を妨げてしまうため、病院で治療したほうがよいでしょう」(池田先生)

また、まれではあるものの、「おねしょがほかの病気の症状として現れることもある」と池田先生は言います。以下の「おねしょチェックリスト」のチェックポイントに、1つでもあてはまる症状がある場合は、早めに医師の診断を仰ぐようにしましょう。

「おねしょチェックリスト」

□昼間にもおもらしをよくする

□おもらしに便が伴う

□尿路感染症や膀胱炎にかかったことがある

□背骨(腰椎)やお尻の皮膚に異常がある

□発育が遅れている気がする(発達障害、学習障害の診断を受けている)

□昼間、学校できちんと座っていられない、落ち着きがないなど、気になる行動がある

□夜に何度も目覚めてしまう

□大きないびきをかく

子どもがおねしょをしたとき、親はどうすればいい?

子どもを褒める

小学生のおねしょ対策として重要なのが、「子どもがおねしょをしてしまったときに、親が『怒らない』『焦らない』こと」なのだといいます。

子どものおねしょや、問題のある生活習慣を叱るのではなく、まず親が、自分の目線で「前日の晩に果物やジュースを与えなかったか」「夕食の時間が遅くなかったか」などを振り返って、原因をあぶり出し、問題があれば、それを改善することから始めてみましょう。

また、「してしまったとき」ばかり気にしがちですが、大切なのはむしろ「しなかったとき」のコミュニケーション。そのときにほめてあげると、子どもは自信がつき、自然とおねしょを卒業できるようになっていくことも少なくないのだそう。

朝の時間は、1日の始まりにおいても重要ですが、子どもの成長にもとても意味がある時間。今回ご紹介したテクニックや食事面のサポートで、子どもに早寝早起きを定着させて、有意義な1日を迎えられるようにしてみてはいかがでしょうか。



おねしょを防ぐポイントは食事にあり!

食事でおねしょを防ぐ

池田先生によると、おねしょを防ぐために最も有効なのは、「食事と水分の摂り方を見直すこと」。それだけで、おねしょ問題から解放されることも少なくないといいます。さっそく、以下の3つのポイントを見直してみましょう。

【見直しポイント1】夕食から就寝までの時間をなるべく空ける

食べたり飲んだりしたものが尿になるまでには3〜4時間かかるため、夕食後から就寝までの時間は、3時間以上空けるのが理想。十分に時間を空け、寝る前にトイレに行けば、夜間の尿の量や回数を減らすことができ、夜間に尿意を催すことも少なくなります。

【見直しポイント2】夕食は塩分・糖分を控える

塩分が多い食事を摂ると、のどが乾きやすく、必要以上の水分を摂りたくなってしまうもの。寝る前の水分の過剰摂取を防ぐために、夕食の塩分は控えめにしましょう。また、糖分には利尿作用があるため、お菓子や果物、甘いヨーグルトなどは、15時以降は控えるのがベターです。

【見直しポイント3】水分は昼間に十分摂り、夕方から夜にかけて控える

水分の摂取においても「規則正しいサイクル」を生成することが、おねしょ対策には有効です。ポイントは、朝から昼にかけては十分に水分を摂り、夕方から夜は控えるというリズムを作ること。そうすることで、無理なく夜間の過剰な水分摂取を防ぐことができるようになります。ちなみに夕食から就寝までの間に摂る水分は、コップ1杯ほどの量が理想的なのだとか。

 

そのほかに注意したい点として、「身体を冷やさないこと」も挙げられます。身体が冷えてしまうと、膀胱の緊張が高まり、尿意を催しやすくなってしまうことに。冬は夕食後にお風呂に入り、体が冷えないうちに布団へ。夏はエアコンの効かせすぎに注意しましょう。

また、夜尿症の子どもは、本来であれば眠りが浅くなる明け方に、深い眠りに落ちる傾向があります。寝付きをよくする環境を整えるとともに、夜更かしを避け、朝は6時ごろに起こすようにして、睡眠リズムを整えることもおねしょ対策においては大切になります。

今回ご紹介した内容は、おねしょ対策の基本中の基本。少し生活習慣を見直すだけで、お子さんがおねしょ生活から卒業できる可能性もありますので、ぜひ一度実践してみてください!

 

池田裕一(いけだ・ひろがず)
昭和大学医学部小児科准教授、昭和大学藤が丘病院小児科診療科長。夜尿症、遺尿症、子どもの腎臓病を専門とする小児科医として、同病院で「尿トラブル外来」を受け持ち診療にあたるほか、自身が立ち上げたWebサイト「おしっこトラブルどっとこむ」などを通して、子どもの排尿の問題に取り組んでいる。
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