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夜更かしは成長期の天敵!? 親が知っておくべき子どもの成長と睡眠の関係

子どもが十分な睡眠時間を確保できない場合、将来にわたって身体と脳に影響が及ぶことがある

睡眠にまつわる多くの著書を発表している、雨晴クリニック副院長の坪田聡先生は、子どもの睡眠の重要さを力説しています。実際に日本人の睡眠時間は、世界と比べて短いとされており、それは子どもにも言えることです。そこで今回は、子どもの睡眠不足の危険性と、健やかな成長を守るための対処法をお伺いしました。

子どもの夜更かしや睡眠不足は成長の妨げになる

成長ホルモンの分泌は、睡眠中にもっとも多くなるため、子どもの健やかな成長のためには、夜更かしは厳禁。十分な睡眠が欠かせないのです」(坪田先生)

人間にとって睡眠は、心身の健康を保つために不可欠な存在。それは成長期にある子どもなら、なおさらのことと言えます。

子どもの睡眠不足

ところが、厚生労働省が発表した『未就学児の睡眠指針』(2018年)によると世界17カ国で3歳未満の乳幼児の睡眠を比較した結果、日本の子どもの総睡眠時間がもっとも短く、約4人に1人が成人するまでに何らかの睡眠問題に直面する可能性があるということが報告されています。

つまり、日本人の子どもは十分な睡眠が確保できていない傾向があるということ。こう言われてみると、現在の睡眠に対する考え方を見直してみる必要がありそうですよね。



理想的な睡眠時間とは?

では、具体的にどのような点に気をつけて、子どもの睡眠時間をコントロールしてあげればよいのでしょうか。また、子どもの理想的な睡眠時間はどのくらいなのでしょうか。

理想的な睡眠時間は小学校低学年で約10時間

子どもが成長して学校や習い事などで、生活パターンが変化すると、子どもの睡眠時間は短くなる傾向にあります。坪田先生によると「小学校低学年は約10時間、小学校中学年から中学生は約9時間、高校生は約8時間の睡眠時間が必要といわれている」のだそう。

「脳の発達や成長著しい子どものころは睡眠の変化が大きいため、年齢によって睡眠の特徴が違ってきます。赤ちゃんの場合は、体内時計が未熟なため、昼夜のリズムとは関係なく1日の約3分の2、だいたい16時間を眠って過ごします。そして生後4カ月ごろから徐々に体内時計が発達して、昼夜のリズムを持った睡眠に移行。その後だいたい1歳ごろには13時間くらい、2〜3歳で12時間、3〜5歳で11時間と徐々に短くなっていくのが一般的です」(坪田先生)

みなさんのお子さんは、どれくらいの睡眠時間がとれているでしょうか。上記を参考に、一度睡眠時間を見直してみてもよいかもしれません。

睡眠不足が子どもに与える影響

大人でも睡眠不足の場合には、イライラしたり体調を崩したりと心身ともに不調をきたすもの。成長過程の子どもの場合は、大人以上にその影響が大きくなってしまうそうです。具体的にどのような影響が生じるのでしょうか。

睡眠不足が与える悪影響

身体成長の阻害

睡眠は子どもが成長するために重要な要素の1つとされています。

成長ホルモンは就寝直後の1〜3時間以内に大量に分泌され、子どもの骨や筋肉などの成長を促します。それと同時に、体の修復や疲労回復の役割も果たしています。つまり、子どもの睡眠不足は成長を阻害させる恐れがあるのです」(坪田先生)

脳が正常に機能せず、問題行動が生じる

睡眠は身体面だけではなく、脳の活動にとっても必要不可欠なものです。全身をコントロールしている脳は、定期的に休息を取る必要があり、その脳を休める大切な休息が「睡眠」とされています。

「睡眠不足の1歳の子どもは発語が少ない、夜型の5歳の子どもでは三角形が書くことができなかった、キレやすいなどの報告があります」と坪田先生。つまり睡眠不足によって脳が活性化できていなかったり、正常に稼働できていなかったりという状況に陥ってしまうと、問題行動につながってしまうおそれがあるのです。

感染症や生活習慣病にもなりやすい!?

睡眠不足が借金のように積み重なっている状態を「睡眠負債」と呼び、そのような状況が続くと体にあらゆる不調が現れてきます。日中に眠気を催して頭がぼーっとして注意散漫になるなどの問題を起こすだけではなく、ホルモン分泌や体温・血圧の調整などにも影響が出てくるのだそう。

「睡眠不足が続くと、免疫力が低下することで感染症にかかりやすくなり、糖尿病や高血圧などの生活習慣病にかかるリスクも高まります。また、血液中の食欲を増進させるホルモンが増え、満腹を感じるホルモンが減るともされており、睡眠不足では肥満になりやすいとも言われているんです」(坪田先生)

ちなみに、子どもが睡眠不足かどうかは「午前中の様子をよく見る」ことで見極められるのだそう。

「本来、午前中は1日のなかでもっとも活動的になる時間帯です。そのときに、特に体調が悪いわけではないのに、元気がなかったり、イライラしていたり、だるそうにしていたりする場合は要注意。睡眠不足のおそれがあります」(坪田先生)



早寝早起きを習慣化させる方法

子どもが睡眠不足にならないためには、親が主導しながら、子どもの生活リズムを整え、早寝早起きを習慣化する必要があります。その際のポイントは、「早起きが楽しみになるような仕掛けをつくること」にあるのだそう。

早寝早起きの習慣化

「よい睡眠をとるためには、家族ぐるみで実行していくことがポイントになります。例えば、寝る前に『明日の楽しみなこと』を1つずつ家族で話すことを習慣化すると、翌日の早起きが楽しみになるかもしれません。そのような『ちょっとしたこと』にチャレンジするだけで、子どもの睡眠不足が改善されることも少なくないんです」(坪田先生)

 

子どものころにしっかり睡眠のことを知り、自分自身で質のよい睡眠をとれるようになれば、将来に渡って健康的に過ごせます。子どもと一緒にできることから少しずつ睡眠改善をはじめて、睡眠不足を防ぐことで、子どもの健やかな成長を目指していきましょう。

 

坪田 聡(つぼた・さとる)
雨晴クリニック副院長。日本睡眠学会、スポーツ精神医学会、日本医師会所属。睡眠障害がほかの病気の発症や経過に深く関係していることから、睡眠障害の治療・予防をスタートし、「快眠で健康な生活を送ろう」をコンセプトに睡眠の質を向上するための指導や普及を行っている。
http://proidea.pro/expert/132
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