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肥満の子どもにダイエットは必要?成長期の食事制限の話

美味しそうにご飯をたくさん食べてくれるのは嬉しいけど、肥満になってしまうのはちょっと…。

そんなことを思っているママさんも多いはず。肥満傾向が見えてきた子どもに、ダイエットを薦めようとも思うけど、そもそも成長期の子どもに、大人と同じような食事制限などのダイエットを課してもよいのでしょうか?
今回は、そんな「成長期の子どものダイエット」をテーマに、子どもの肥満と、そのサポート方法について、管理栄養士の豊永彩子さんにお話を伺いました。

子どもの体型、どこから要注意?

太っている子ども

そもそも子どもの肥満の基準は、どのくらいなのでしょうか。

豊永さんによると、「子どもの肥満の基準は大人の基準とは異なり、年齢・性別・身長から算出された“標準体重”に対して、幼児は15%以上、学童は20%以上体重が多い場合が肥満とされる」のだと言います。

標準体重に収まっているかは、幼児なら母子手帳の「発育曲線」でチェックが可能です。

「体重グラフが標準範囲内で、カーブに沿って増えているなら問題ありません。カーブの上限に近くてもダイエットは不要です。標準範囲の上に突き抜けていたり、範囲内でも急激にグラフが上向きになったりしたときは、注意してサポートしましょう」(豊永さん)

一方、小中学生の場合は、学校の「身体測定の結果」で確認が可能。肥満傾向があれば注記が書かれています。

「肥満になると血圧や血糖値のコントロール不良、脂質異常症などのリスクが上がります。高血糖になると、幼児の場合は、過度に落ち着きがなくなったり、ヒステリックに泣いてしまったりする傾向が、小中学生の場合は、集中力が下がって、勉強や運動などに影響が出ることがあります。また、肥満は栄養バランスの悪さが原因であることも多く、貧血を起こす子も多くいます」(豊永さん)

ちなみに、肥満になった子どもの約7割は大人になっても肥満が継続され、高血圧や糖尿病、脂質異常などになりやすいのだそう。肥満の傾向が見られたら、早いタイミングで親がきちんとサポートしてあげましょう。




子どもが太りやすくなる3つの原因

眠そうな小学生

子どもが肥満になる原因は、大きく3つあると豊永さん。

【1】栄養バランスが悪い

糖分や油分中心の食事でカロリーだけを摂り過ぎて、ほかの栄養素が不足していると肥満傾向が強まります。

「朝食を食べない、洋食中心で和食が少ない、お菓子やジャンクフードを食べ過ぎているなどの、偏った食生活は太るだけではなく、成長に必要な栄養素が慢性的に不足し、深刻な低栄養状態も招いてしまいます」(豊永さん)

【2】運動不足・日光浴不足

運動不足や、外での活動が少ないために起こる日光浴の不足も肥満につながります。

「日光に当たると皮膚で合成されるビタミンDは、不足により肥満の関係が示された研究データがあります。外での活動も積極的に増やし運動と日光浴を心がけましょう」(豊永さん)

【3】睡眠不足・睡眠の質の悪さ

「良質な睡眠がとれないと、成長ホルモンが正しく分泌されません。すると成長や肥満予防にも必要な代謝のメカニズムが崩れ消費エネルギーの低下や食欲コントロールが上手にできず、肥満につながります。夜更かしも、体内時計の乱れを引き起こし睡眠の質が低下する原因となるため、夜型にならないよう、生活リズムを整えましょう」(豊永さん)

これら3つの要因は、「夜更かしすると朝起きられず、朝食を食べないで栄養バランスが崩れ、元気が出なくて外で遊べない」といった具合に複数がからみあうこともあるそうなので要注意。
肥満を改善するには、食事だけでなく生活全体をトータルで見直すことが必要です。「十分な睡眠時間を確保できるように、休日の夕食時間を早めて就寝時間も早める」など、できることからひとつずつ改善していきましょう。



年代別:肥満の子どもの栄養管理

食事を運ぶお母さんと女子学生

肥満の改善には、生活全般の見直しに加え、適切な栄養管理も必要です。幼児期から中学生まで、年代順にポイントをご紹介します。

【幼児期】お菓子は控え、おやつ(補食)や食事で栄養を

1回の食事で食べられる量が少ないので、各食事でできるだけ栄養バランスを整えましょう。満腹感を感じやすくするために、食材の硬さや大きさを調節して、たくさん噛めるようにするのがポイント。噛むことで唾液の分泌や胃腸の活動も促進されます。

「ぐずっているときに、お菓子で機嫌をとるのは控えて。どうしてもという場合は、おやつや食事の一部として、バナナ、さつまいも、旬の果物などを選んでください。おにぎりなら、しらすやかつおぶし、のりなどでミネラルやカルシウムも摂るのがおすすめです」(豊永さん)

【小学校低学年】好き嫌いを諦めない&食への関心を高める

小学校低学年は、食の体験が広がるにつれて、好き嫌いが激しくなる時期。給食は栄養バランスが整っていますが、揚げ物やごはんばかりおかわりしているなら要注意です。

「嫌いなものは、『何で嫌いなの?』と聞いてみましょう。味、匂い、食感など、子どもなりの理由があるはずです。親は『食べないから出さない』ではなく、出し続けることにより、味覚の経験をさせてあげることが大切。何かに混ぜたり、味付けを変えたりして『食べられた!』という自信を持たせてあげましょう。

また、食への関心が低い子は、一緒にスーパーに買い物に行く、お米を研ぐ、味噌汁の味噌を溶くなど、お手伝いしてもらうのも手。小さいうちから食への関心を高めていくことで、肥満の改善や予防につながります」(豊永さん)

【小学校高学年】栄養の正しい知識を伝える

個々の体型差が目立つようになり、とくに女の子はダイエットに興味を持ち始める時期です。

「『食べると太る』と覚えると誤ったダイエットに走ってしまうので、『きちんと栄養を摂らないとキレイになれないよ』と教えてあげてください。大皿で料理を出すと食べた量がわからないので、絶対に食べてほしい分は個別に盛りましょう。

早食いも肥満につながる要因なので、食材は大きめに切り、食感が残るように調理して、咀嚼(そしゃく)を促すようにしましょう。白米ではなく雑穀米や胚芽米、麦ごはんなどにすると、ビタミンやミネラルも摂取できます。肉は脂身が少ない部位を選んで」(豊永さん)

【中学生】親の目の届かないところにも気を配る

活動量も食べる量もぐんと増え、身体活動レベルが普通の場合、12〜14歳の推定エネルギー必要量は、男子で2600kcal、女子で2400kcal。それだけの摂取が必要なので、親の目が届かないところで食べるものにも気を配りましょう。

「例えば、ジュースを冷蔵庫に常備して、のどが渇くたびに飲んでいれば相当な糖分量になります。ジュースよりも牛乳や無調整豆乳がベターですが、どうしてもジュースが良ければ小さめサイズで1日1本までなどと限度を決めましょう。

基本的には水やノンカフェインのお茶を飲み、甘い物がほしいときは手作りの抹茶ミルク、ココアなど温かいものがおすすめです。甘みは砂糖を控えめにし、オリゴ糖に置き換えれば便秘予防にもなります。

小腹が空いたときは、だしを入れて作った雑炊や卵入りにゅうめんなどが◎。グルタミン酸のうまみが含まれるので、少量でも満足感を感じることができるでしょう」(豊永さん)

また、つい口にしてしまうアメやグミは「エンプティカロリー(栄養がないカロリー)」。肥満だけでなく、糖分で血糖値を急激に上げ、疲れやすくなったり、眠くなったりというデメリットもあるので注意が必要です。

「食べちゃダメ」と禁止項目だけを増やすとストレスになるので、「食べていいもの」の選択肢も増やすのがコツ。無理をしないで糖分や油分の摂り過ぎを防ぐ方法を見つけることが大切です。

豊永彩子(とよなが・あやこ)
フリーランス /管理栄養士・米国NIT認定栄養コンサルタント。女性が自分と大切な人を守れるスキルを学ぶためのオンラインサロンを立ち上げ、「You can be more  HAPPY 」をコンセプトに健康・美容・身体のメカニズム・セルフケアスキルに必要な情報を発信している。その他、各メディアで連載やコラム執筆なども多数手がけ、健やかな美と健康の情報を発信している

https://sungrant.jp/
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