子どもの成長期に、今日からすぐ役立つ情報をお届けします!「食育レベルアップ!」

子どものカラダとココロを育てる食育のイロハ(後編)

食べることでカラダが健康になるだけでなく、ココロの豊かさにもつながる「食育」。

<前編>に続き、今回は、親子で取り組める「農林漁業体験」や、家庭でできる「食品ロス」対策などに食べ物への関心を高める食育の実践について、管理栄養士の湯浅里菜さんにお話を伺いました。

この機会に、親子で取り組める食育について考えてみましょう。

食べ物への関心を高める「農林漁業体験」

子どもの食への関心を高めるうえで、「親子で一緒に楽しみながら食育を学ぶこと」はとても効果的です。

そんな食育の手助けとなる取り組みとして、農林水産省が推進する「農林漁業体験」があります。

農業している様子

農林漁業体験は、稲作や野菜の収穫といった農業体験や食品工場の見学、調理体験などさまざまな食に関する体験を通して、子どもたちの食への関心を高めるのが目的。食材をより深く知ることで、食べ残しや好き嫌いが減るという効果も期待できます。

農林漁業体験は農業、漁業、市場、食品加工など多岐にわたり、NPO法人や企業、行政が運営しています。各地域の体験できる内容・申込み方法については、農林水産省のホームページで紹介されています。



家族でもっと食への関心を高めよう

ニュースなどでも多く耳にする「食料自給率」や「食品ロス」。子どもたちが食への理解をより深め、食材を無駄にせずに大切にするためにも、ぜひ親子で一緒に考えたい問題です。

2017年の統計では、日本の食料自給率はわずか38%。残りの62%は海外からの輸入に頼る状況となっています。その原因として挙げられているのが、急激な食生活の変化。食生活が洋風化してきたことで米の消費量が減り、逆に消費量の増えた畜産物や油脂類などの供給を海外からの輸入に頼るようになってきたのです。

もし輸入が厳しくなってしまった場合、日本の食生活は大きな影響を受けることが懸念されています。そのような問題に直面しないために、食料自給率の確保や向上のために私たちができることにはどんなことがあるでしょうか。

子どもがスーパーで買物

「例えば地元で採れた食材や旬の食材を積極的に食べるようにするだけでも、食料自給率の向上につながります。旬は食材がもっともおいしく栄養を持っている時期。スーパーや八百屋に子どもと行って、季節に合わせた食材を一緒に選んで知ることで、楽しみながら食への関心を高めることにつながります」(湯浅さん)

さらに近年話題となっているのが、年間643万トン(2016年調べ)と言われる「食品ロス」の問題。食品ロスとは、食べ残しや売れ残り、賞味期限切れなど、本来は食べることができたはずの食品が廃棄されてしまうこと。大手コンビニエンスストアの、食品ロスを改善するための取り組みがニュースになるなど、食品業界でも意識が高まっています。驚くべきことに、643万トンの食品ロスのうち、約半分を占めるのが家庭での食品廃棄物なのだそう。家庭でできる無駄を無くす方法にはどのようなものがあるでしょうか。

「子どもに『もったいない』という意識をもたせることが大切です。外食した時には食べきれる量を注文し、残さずおいしく食べられるように声かけしてあげましょう。食品ロスに注意すると無駄な消費をなくし家計面にもプラスとなります。買い物をするときには足りない食材をメモして必要なものだけを買うようにする、冷蔵庫の中をスマホなどで撮影して食材や調味料の重複を避けるというのもおすすめです。また、野菜の皮はできるだけ薄くむく、ヘタを取るときには大きく切りすぎないようにするということも意識しましょう。料理が余ってしまったらタッパーなどに小分け入れて冷凍保存するなど、食材を無駄にせず長く保存できる方法を知っておくことも大切です」(湯浅さん)



おいしくぺろり! 苦手食材克服レシピ

好き嫌いをなくしバランスのよい食生活を心がけることは、子どもの成長をサポートする上で重要なことです。苦い味やアク、クセのあるもの、特定の食感や香りを持つ食材など、子どもが苦手とするのにはさまざまな理由があります。今は苦手で食べられなくても、根気強く食卓に並べることで次第に興味を持つようになるということも。子どものうちからいろいろな味に慣れておくことも重要だと湯浅さんは言います。

子どもが苦手なものを食事している様子

「子どもが苦手な食材として代表的なものにピーマンがあります。苦味、青臭さがその原因となりますが、子どもは本能的に苦味をまるで毒物のように認識してしまうことがあります。無理に食べさせようとするとたとえ食べられたとしても嫌な記憶として残ってしまうので、少しでも食べられたら褒めてあげることが理想的です。どうしても食べられない食材はその食材と同様の栄養素を持った別の食材に転換するという方法もあります。味覚は変化するものなので、成長するにつれて美味しく感じるということも。ゆっくりと興味を持つタイミングを待つことが大切です」(湯浅さん)

子どもに苦手食材を食べてもらうために、調理をする際にはどのような点に気をつければよいでしょうか。

「例えば、ピーマンは切れ味の悪い包丁で調理すると、繊維が壊れて苦味成分が出てしまうので注意が必要。今使っている包丁を、使用前に研ぐだけでも効果的ですよ。また、ピーマンは油や肉と一緒に調理すると苦味を抑えられ、食べやすくなります。細かく切ったり、子どもが好む甘辛いソースをかけたりするのもおすすめ。完熟したパプリカは苦味も少ないので、ピーマンの入門としておすすめですよ」(湯浅さん)

また、きのこ類も苦手な子が多い食材。食物繊維やカルシウムの吸収を助けるビタミンDを豊富に含んでおり、成長期の子どもにとって貴重な栄養素をもつ食材なので、ぜひ積極的に料理に取り入れるようにしましょう。ここでは湯浅さんがおすすめするきのこを使った「きのこのスパゲティ」をご紹介します。

きのこのスパゲティ

きのこもピーマン同様、油と相性の良い食材です。食感が苦手という子には、片栗粉でソースにとろみをつけるとさらに食べやすくなります。

スパゲッティ(400g)
しめじしいたけ舞茸(各1パック)
パプリカ(1個)
玉ねぎ(1/2個)
ベーコン(2枚)
にんにく(1片)
塩、オリーブオイル(各適量)
めんつゆ(大さじ4)
バター(20g)

作り方

1 しめじは石づきを取って小房に分けて食べやすい大きさに切り、しいたけは軸を取り除いて細切りに。舞茸は軽くほぐす。パプリカは種とヘタを取って食べやすいサイズの細切りにする。玉ねぎは薄切りに、ベーコンは1cm幅に切る。にんにくは包丁の背でつぶす。
2 鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩を加えてスパゲッティを入れる。途中くっつかないよう混ぜながら袋の表示通りにゆでる。
3 フライパンにオリーブオイル、にんにくを入れて熱し、香りが立ったらベーコン、玉ねぎ、きのこ類を入れて中火で炒める。しんなりしてきたらパプリカを加えて軽く炒め、油をなじませる。②のゆで汁を少々(分量外)加えて5分ほど煮る。
4
めんつゆとバターを入れ全体を混ぜ合わせる。
5
4に水気をきったスパゲッティを入れて全体に絡んだら、皿に盛り付ける。

「調理を工夫することで、苦手な食材でも食べられるようになることも。嫌いだからと避けるのではなく、形や味を変えるなどして食卓に出すようにしましょう」(湯浅さん)

苦手食材を克服するためには、「食べられた」という経験がとても重要になります。子どもの健やかな成長のためにも、食に対する経験値を増やして、食べ物への関心を高めていきましょう。

湯浅里菜(ゆあさ・りな)
管理栄養士。1994年生まれ、徳島県出身。四国大学生活科学部管理栄養士養成課程を卒業後、管理栄養士資格を取得。保育園にて離乳食、幼児食、アレルギー食の教育に携わる。
親子で食を楽しむ様子
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